(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
世代間の共感が大切で、それが若さを保つ泉であると前回扱ったが、指導している合唱団でその言葉を紹介したら大勢の人がうなづいてくれた。こうやって社会教育活動に参加している人は「関係性」を大事にしてくれている人たちだから良いと思うが、世の中はそれほど簡単なものではない。
デジタル社会の進展によってコミュニティーの交流は対面ではなく、バーチャルで行われることが増えていると本に書かれている。確かに、私もちょっとした日用品もネットによる買い物で済ますことが多い。特に重いものや定期的に欲しくなるものなどは本当に便利良いと思う。また、宅配業者に迷惑をかけたくないので、宅配ボックスも用意した。まさに誰にも会わずに買い物を済ませているわけだ。
また、少子化が進む中で、息子や娘が世帯を持って独立したり、都会に出ていったりして家族の結びつきを失った高齢者の問題もとても重い。イギリスの調査では、65歳超の人の4割以上は、テレビがいちばんの友達だと言っているそうだ。
もう一つ社会の分断として気になるのは、マッチングのテクノロジーだ。特に異性との交流を求める分野で大きな成果を挙げている。2017年の調査では、40%近くのカップルがオンラインで知り合っている。問題なのは、オンラインマッチングによって、いわゆる「同類婚」を促進することだという。例えば、1960年代は、大卒男性が大卒女性と結婚する割合は、およそ4分の1程度だったのが、2016年には全体の半分を占めるまでになっているそうだ。カップルの両方が高学歴・高所得の世帯と、両方が低学歴・低所得の世帯に二極分化する傾向が強まっているとされているのだ。さまざまな点で分断が進むのは、この章で扱っている「関係性」を大切にする戦略の上で大きな問題だ。どうしたら良いか続けて考えていこう。(続く)