(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
100年時代の人生戦略の3つ目のポイント「関係性」について“家族”を中心に見てきた。今日からは「世代」だ。平均寿命が伸びているので、当然以前よりも世代の離れた人たちが関わって生きるようになる。その世代間で関係性をどう保っていくかは一段と難しさを増してくる可能性がある。
家族の形がでピラミッド型であった時代から、今はビーンポール型(豆の支柱型家族)になってきたと前に書いた。そこからは「老老介護」とか、「ヤングケアラー」などという問題が見えてくる。高齢になって介護を必要としているのに、それを担うのは同じように介護を必要としている高齢者だったり、まだ小中学生だったりという問題だ。
家族はまだ良好な関係を築こうという意識があるとは思うが、社会全体では世代間の緊張が高まっている印象がある。日本では、高齢者が若者に及ぼす様々な害や不利益を「老害」と言う言葉で表すことが多くなっている。比率的にはとても多い若者の交通事故よりも、高齢ドライバーが起こした事故は人的被害がなくても全国版のニュースとなる。それだけ関心が高いということだろう。
日本では、「子どもたちの生活が自分たちよりも苦しくなる」と予想する人が38%にのぼり、逆に「子どもたちの方が豊かに生活できる」と予想する人の28%より多い。未来に不安を感じているのはどこからくるのだろう。
本では、以前のような教育→勤労→余生の3ステージの人生モデルが大きく変容し、60年以上も働かないといけないとか、ある年齢になったら別な仕事を探さなくてはいけないなどマルチステージの人生に不安を感じてしまうことを挙げている。その人生モデルの変化に社会の新しいシステムが追いついていけない状況があるのだろうと言っている。
しばらくこのような世代間の関係性をどう良好な関係にしていくのか考えていこうと思う。