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支えとなる親密な関係

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)

 家族の形態の変化で、単独世帯が最も多くなったことや、ひとり親と子ども世帯が順位を上げていることを書いた。両方合わせると比率は、47%となる。ざっくり言うと、日本の世帯の約半数になるのだ。

 このような変化の中で独身生活を送っている人たちの生活ぶりを調べてみると、古い規範や制約を跳ね返そうとしている姿も見られるという。孤独だろうというような一般的なイメージに反し、独身者は友人や家族との結びつきが強く、その親密な関係に支えられて良い方向へ転換してきているようだ。

 昔は出戻りなどと言われ、人生の負け組のような扱いだった離婚女性も、自分の選択をしっかり受け止め、納得できる新しい生活を求めているように見える。その人は、学生時代の友人などとの関係もしっかりしていて、新婚の友人宅に泊めてもらったり、一緒に旅行したりしている。昔は、結婚すると子育てや家庭の用事で女性はあまり出掛けられなかった。だから未婚の女性は、友達が結婚してしまうと友人関係も疎遠になり、寂しい思いをしたかと思う。しかし最近は、育児の平等化も進み、子どもを夫に預けて、定期的に飲み会をやっている仲間もいるのだ。

 これは一人親世帯の変容にも見られる。もちろん経済的には苦しい思いをしているし、体調が悪くても子どもを預けられない人もいる。ただ、YouTubeなどで見る「シンママ(シングルマザー)」は、たくましい。たくましく見えるシンママに共通するのは、実家の理解が協力的だったり、割と時間に縛られずに働ける仕事力を持っていたりする。そして結構オープンで、仲間関係がしっかりしていて、悩み事も話せたりとか、ちょっとしたことを協力してくれたりなど人的ネットワークを持っている人が多いように思う。

 人生が長くなりマルチステージが当たり前になる中で、自分らしい生き方、自分の選択をできる生き方を求めるとき、結婚によって生まれるあつれきをなくしたいのは当然だろう。ただ、そのためには「移行」をうまく行う必要がある。学んで生きる幅を広げることも大事だし、上に書いたように友人や自分の親などとの「関係性」をうまく伸ばすことが前提になるのだ。