(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
2020年の国勢調査によると、男女の生涯未婚率(50歳の人の未婚率)が過去最高(男25.7%、女16.4%)になったという。その推移を見ると、1920年から1980年ごろまでは、2〜3%とか、4〜5%のあたりだったのが、その後少し上がり始め、2000年代(21世紀突入)になると急激に上がり始めたのだ。
ただ気をつけたいのは、「未婚」という言葉には、「やがて結婚することが当然なのに、いまだに結婚していない」というニュアンスが込められているように思う。結婚したいのにできないのは「未婚」で良いが、結婚する意思がない独身者には「非婚」という言葉を使うべきという考えもあります。「不本意未婚」とか「選択的非婚」という言葉にすれば、独身の人の意識の差がはっきりするでしょう。ただ、不本意未婚だった人が、30代後半とか40代になって、「自分はもう結婚する気がない」として「選択的非婚」に移る人もいるでしょう。
女性の経済的自立が進んだことで、結婚することの経済的メリットが昔ほど魅力的に見えなくなってきていることもあると思われます。
電通総研の「イマドキ独身女子の結婚観と恋愛の実態」調査によると、「安・信・楽・近(あん・しん・らく・ちか)」が結婚の大事な条件だそうです。わかりやすく言うと、「信頼できる」「価値観が近い」「安心できる」「一緒にいて楽(らく)」ということになるのだ。以前“三高”といわれた「年収、身長、学歴の高さ」は、いずれも重要視されず、むしろ「仕事や収入が安定していること」が大事だそうです。
結婚して「夫の収入を頼りに、生涯安定した生活を得たい」と思うことはもちろん大事だろうが、そのために結婚生活で自分の気持ちを抑えたり、やりたいことを我慢したりといった日々を選択する状態にはなりたくないのはよくわかる。
そういえば、今日の朝ドラ「虎に翼」は、主人公寅子の兄と結婚した女学校の同級生が、「結婚して、まるで私は女中のよう」と不満を言っていた。最近は「家」との結婚ではないので、それは少ないだろうが、夫との意識の差やわがままな態度に心を痛めている妻は多いと思われる。「9割の人が結婚したいと思っている」というデータもあるが、それはどうも調査の捉え方が問題だという意見もあった。(続く)