(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
ハピネスカーブが40代後半から50歳ごろ上昇に転じることを扱った。上昇することの分析は後にすることにして、もう少し、底をつく中年後期についてみておこう。
働き盛りで一見心身ともに充実しているように見えるこの世代は、その裏には、色々背負い込み、将来の姿も現実の厳しさにふさぎがちになる。さらに、親や子の対応に負担が一番増す時期でもある。社会的には、「おじさん(おっさん)」「おばさん」などと呼ばれ、やや軽視されやすい状況も見られる。
そこから中高年の生き方の上昇を支える社会のシステムが大事になってくる。日本の雇用システムは、少子高齢化の対応もあって高齢者雇用が叫ばれている。実際に日本の65歳以上(高齢者)の雇用率は、男性約30%、女性約15%だという。それは男女とも先進国ではトップレベルとのことだ。(ドイツは男性約10%、女性約5%、イタリア男性約8%、女性約3%)(参照:「東洋経済ニューズウィーク日本版」)
ただ問題は、日本の雇用システムは60歳定年を前提としているため、40代後半からほとんど人材育成に投資しなくなっているという問題がある。なので、「パソコンが使えない」というような新しいスキル不足になりやすく「安い労働力」として買い叩かれる事態になっているのだ。
ハピネスカーブの底をついたあと、上昇に変わってからの人生のほうが長くなってきている「人生100年時代」なのに社会の対応が遅れていると言わざるを得ない。そうした中高年期の「移行の学び」について考えていこう。