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幸せは「今」の「自分」の中にある

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)

 中野信子氏の「ハピネスカーブ」を紹介したので、今日も続けてその説明文から中年期の過ごし方を分析してみよう。

 中野さんは、まとめのところで「50代以上になってさらに幸せを感じるには」というテーマで、3つのポイントを挙げている。

1 自分ならではの幸せを大切に

2 “非効率”も幸せの要因と考える

3 未来よりも「いま」に集中

 前回の私のブログで、附属小で私の教員人生の“大転換”があったことを紹介したが、まさにそれが「自分ならではの幸せ」を感じさせてくれたことにあたると思う。教員としての素敵な扉を開けてくれた。私は、中学時代尊敬できる担任と出会い、「自分の力をこんなに伸ばせるのか」と実感した喜びがあったから教員を目指すことになった。しかし、若い頃は、「いかにうまく教えるか」に精力を注いでいた自分だった。附属教官として研究する中で、子どもを見つめ、その子の伸びる力を信じることで、子どもがぐんぐん伸び、こちらも喜びを感じるだけでなく、その子どもの姿から学ぶことを知ったのだ。

 それからは長く学校で仕事に取り組むことが苦労ではなくなった。退職するまで本当に長く学校にいる教員だった。学校が好きだったのだ。非効率だったかもしれないが、会議に出す資料もていねいにまとめた。どこの学校に行っても、全員に学習カードを配り、一人ひとりの考えを知り返事を書いた。相森中で担任した子の学級日記は今も大事にとってあるが、日々の記録をマスには入りきれず、メモ帳を切り取ってセロテープで貼って細かい字で書いてくれている子が何人もいる。その日の生活について自分なりにしっかり見つめ、心に感じたことを残そうとしてくれているのだ。

 人はとかく、「いつかこんなふうになりたい」と未来を描いて頑張り続ける。もちろんそれも大事だが、今日あったことをしっかり振り返り頑張った自分を(自分たちを)認めてあげるところに成長もあれば、幸せもあるのだと思う。