(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
職業の変更など人生の“移行”について「成功させる方法を学ぶ」という点で本に説明があるが、私はそれを読み飛ばして、中年期・高齢期の話題を中心に見ていこうと思う。
以前の“3ステージの人生(教育→仕事→引退)”では、30代・40代は脇目も振らず一つの道を歩み続けるのが当たり前だった。ただその年頃は仕事はきついし、家庭では育児や介護に追われる。もちろん楽しいこともたくさんあるだろうが、この時期に人生の幸福度が最も落ち込む人が多いという研究結果があるそうだ。「中年期の危機」(ミッドライフ・クライシス)と言われるその意味はどのようなものなのだろう。
人生が長くなる中で、「第二の思春期」と呼ばれる40代半ば頃(早い人は30代後半、遅い人で50代になって)、人は「自分は何者なのか」と不安になる。会社勤めなら、夢中で働いていた20代30代を過ぎて、「ある程度思い描いていたものを手に入れた」とは思っているが、思っていたほどの幸福感を得られず、それどころか体力や記憶力の衰えを感じるなどして、自分自身の限界を感じてしまう。
また、幸せな結婚をしたはずなのに「本当にこれが幸せなのだろうか」と夫婦関係の歪みや子育ての悩み、さらには巣立っていく子どもたちとの別れを目前にして失うものばかりが目につく人も多い。
「更年期障害」という言葉があるが、これは、女性だけでなく、男性でもホルモンバランスの乱れを起こしやすい時期だとも言われている。
まだ社会的に存在感を増し人望を得られるような人は良いが、がんばっているのに評価されないというような不安・不満を持っている人はそのアイデンティティーを見失いやすい。
このような中年期の危機が起こる原因としては、40歳半ば前後が、ちょうど人生の折り返し点で、残り半分はというと老いていくことを意識し始め、体力や気力の面で低下を意識してしまうことが考えられる。そんな誰しも向き合うと思えるこの時期の不安にどう対処していくかその「移行」の取り組みは大事なのだ。