(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)
自ら学ぶ意欲を生む“内発的動機づけ”が大切だと前回扱った。そのための三つの要素があると、心理学の情報サイトで見つけて面白いなと思っていたら、この本のp138〜139に書いてあることがまさにそれと重なる内容だとわかり面白かった。その三つの要素は、「自律性」「有能性」「関係性」だ。それについてまず簡単に整理しよう。
「自律性」は、自分の行動を自分自身で選択したいという心理的欲求だ。学ぶことについて、言われたことを単に頑張るのではなく、何に興味があるか、何が重要だと思えるか、何が自分にとって意味があるかなどなど、自分の考えや性格、日常生活やこれまでの経験などいろいろな要素から、これは面白い、やってみたいというような自分の選択に基づいて学ぶことだ。確かに言われてイヤイヤやる学びが長続きするはずがない。
「有能性」は、自分の置かれた環境と効果的に関わり、有能でありたいという心理的欲求のこと。つまり、自分の生活環境・社会的位置など、自分の生きている場や立場にうまく適合していて、それを学ぶことで自分がとても高く評価してもらえるとか、自分の成長を実感できることにつながるので意欲が出るのだ。前回書いたように、報酬がもらえる喜びはいっときだけの効果しかないだろう。
「関係性」は、人を思いやり、人から思いやりを受けたいと願う心理的欲求だ。つまり、学ぶことで、誰かを喜ばせたり役に立ったりできれば嬉しいし、誰かから支えてもらえるような喜びのある関係性は重要だろう。とかく、良い成績をとっても「当たり前だ」的な親に限って、悪い成績をとるとやたらに厳しい言葉をかけるものだ。そんな親は自分が学ぶ意欲を阻害していることに気づいて欲しい。
それぞれについて、本に書いてあることや私の経験と結びつけながら掘り下げていこう。(続く)