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50代で脳は充実期に

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の7月10日です。)

 前回は「結晶性知能」と「流動性知能」について考えたが、私がこの頃パラパラめくっていた雑誌(確か大人の休日倶楽部?)に脳科学者の中野信子氏のコラムが載っていて、まさにそれに関係することだったので紹介しよう。

 題名は「100歳になっても脳を若く保つには」で、脳をうまく働かせることで、毎日をもっと楽しく過ごすにはというテーマの文章だった。

 主なことを紹介すると、一般的に脳の機能は30歳前後でピークを迎えること、脳の成人式をするとしたら30歳ということから始まる。しかし経験を重ねることで、ものごとを俯瞰的に見て本質を捉えられるようになること、自分がやるべきことと他人に任せることをうまく切り分けられるようになることなどを説明している。そして、前の段落と重なる内容だが、記憶や計算は若い脳の方が機能は高いけれど、「経験によって高まる知能」があり、こちらは年齢とともに上げていける。両者を合わせると“脳の総合力”は、50代ぐらいが一番高くなると考えられると紹介している。そしてさらにうまく取り組むことで100歳近くまで聡明な人もいるとしている。

 具体的な提案については明日に回すが、ちょうど今日たまたま見た番組で家事代行サービスについて扱っていてすごいなあと思ったので取り上げよう。

 2週間に一度の派遣でその家に通い、料理を作る仕事をしているその家事代行スタッフさんについて紹介された。その人は、管理栄養士で子育て経験、保育の仕事の経験がある。食材料は事前にその家で用意してあるものを使い、道具や調理器具もその家のもので行う。冷蔵庫を開け、余り物優先で材料を並べ、献立をその場で組み立てる。3時間という契約の時間なので、少なくとも3品以上同時進行で調理するという。つまり、オーブンで加熱している間に、フライパンで炒め物を作るとか、鍋で煮物を仕掛けておくといった感じ。また、小さい子がいる家庭なので、ハンバーグは柔らかめに作って食べやすいよう配慮したり、事前に聞き取りをして調理等の要望も確認しておくそうだ。そして、なんと3時間で調理し終わったものをタッパー等に保存し流し周りの掃除も終えた。なんと並べられた料理は20種以上あるように見えた。それが2週間順番に食卓に出てくるのだ。まさに感動的だった。私も料理はこの頃自分の好きなものを味わいたくていろいろ挑戦しているが、iPadの画面をなん度も開きながら確認し、それでも間違えたりしている。この人は、本当に経験を活かして総合的に仕事の流れを頭の中で構造化していてすごいなあと思った。料理は認知症予防には良いそうだが、本当にそうだなと思わされた。