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青年期の延長

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10にちです。)

 “成人形成期”についてこの本では簡単に触れているだけだが、心理学・社会学に興味のある私はもっと詳しく知りたくなった。本からしばらく離れるが、何回かに分けてこのことを調べてみよう。

 現在の10代後半から20代後半の若者は、親の統制下にあった“青年期”の続きでもなく、かと言って“成人期初期”への移行が済んだ大人の存在とも言えない新しい姿を見せている。結婚や就職がわかりやすいのでその辺から切り込んでみよう。

 結婚したり親になったりする年齢の上昇について調べてみた。戦後1947年ごろから2022年までの初婚年齢の変化を見ると、どんどん高くなっている。昭和22年ごろは男性26歳、女性23歳ぐらいが平均初婚年齢だった。それが戦後復興の波の中で昭和37年(1962年)ごろまで上昇し続け、男性27.5歳、女性24.5歳ぐらいになる。その後横ばいだったのが、1970年から1973年ぐらいまでグッと若返る。実は私が結婚したのは、1972年だが当時としてはとても早い結婚だった。この辺りは、戦後ベビーブーム世代が20代になり就職する時代だ。おそらく街に若者が溢れる活気のある中、結婚への憧れが競い合う雰囲気を盛り上げたのかもしれない。

 しかし、その後は、着実に晩婚化が進み、特に女性の方が上昇率が高めで、2015年ごろは、男性31歳、女性29.5歳となっている。この平成の終わり頃から初婚平均年齢の高止まり傾向となり、2022年は男性31.1歳、女性29.7歳となっており伸びは止まっている。世界的にも初婚平均年齢は、30歳前後と言われている。

 このことからも、成人期への移行が遅くなってきており、20歳代の終わり頃までを“成人形成期”と呼ぶ根拠が見えてくる。昔は、高等教育を済ませた若者は親元を離れ、就職や結婚を20代半ばまでにはほぼ終えていたのが、30歳前後まで遅くなり、かといって親に頼っている青年期と呼ぶには該当しない中立的な性格を持った若者が増えているのだ。そういった若者についてもう少し見てみよう。