(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)
私の娘はZ世代の先頭にいると言えるが、このマルチステージの時代をどう生きるのか我々昭和の戦後世代にはなかなか理解しにくいところがある。この本で今の若者世代が青年期から成人期への移行の年齢で、就職や結婚など自分の人生の進む道を選択するのに迷っていることが書かれている。迷っているというより、いろいろな選択肢をたくさん並べてそれぞれの可能性を慎重に探っているというべきかと思う。
そのような若者の姿を説明するのに、「成人形成期」という心理学の新しい表現を取り上げているので興味が湧き調べてみた。
以前発達心理学をブログで扱った時、エリクソンの発達段階を紹介した。エリクソンは、人間の一生を8段階に分けて、心理的課題やその課題達成によって獲得する要素を分類した。その8つは、乳幼児期(0〜1歳半)、幼児前期(1歳半〜4歳)、幼児後期(4歳〜6歳)、学童期(6歳〜12歳)、青年期(12歳〜20歳)、成人期(20歳〜40歳)、壮年期(40歳〜65歳)、老年期(65歳〜)である。
ただこの中の青年期から成人期への移行は、「前成人期」と表現を変えて不安定な時期として見るようになってきている。それをクラーク大学のジェフリー・アーネットは、「成人形成期」という新しい発達段階として提案している。この論文が出された頃は批判が多かったようだが、現代の若者が、自分の可能性、アイデンティティを求めて就職や結婚の選択に慎重になる姿をよくとらえていると私は思う。もう少しその論について調べてみよう。