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年の差の実感

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

 前回は「世代の差を自覚して若者と向き合う」と題してブログを書いたが、その時思い浮かんだのは、「古民家」という言葉だ。娘が大学を出て入った会社を2年半ばかりで退職し、起業した。練り切りの体験工房だが、北鎌倉の古い民家を借りて“Kominka”と名付けてスタートした。私もその家にお祝いをしに駆けつけたが、初めて訪問した印象は、「なんか普通の家で古民家っぽくないなあ」だった。

 しかし、この頃Z世代のことを知るうちに、あの娘はまさにその世代の走りで、マルチステージの人生を体現してくれているのだとわかった。そして、私が「古民家」と聞いてイメージする茅葺き屋根の昔の家に対する理解はもう古いのだと思った。今の若者たちは戦後私たちが育った当たり前の家が、「古民家」なのだ。

 自分はいろいろ本を読んだり、YouTubeを見たりして生活をしっかり更新して時代に遅れているつもりはなかったが、やはり自分の育った時代の記憶は体の中で生き続けているのだ。そういえば、“衣紋掛け(えもんかけ)”とか、“お勝手”と言って、40代の人に笑われたことがある。ジジ、ババの使う言葉なのだ。まだ40代の人だからわかってくれたが、今の若者は「なにそれ?」と理解してもらえないと思う。ハンガーとか台所・キッチンという言葉は知っているが、いまだに普通にえもんかけとかお勝手と言ってしまう。60年、70年前はずっと昔なのだと思わされる一瞬だ。

 「世代の差を自覚して」などと語っているが、私にとっても簡単なことではないのだろうと思っている。第4章でその辺りも気をつけて考えていこう。「教育相談」などと看板を掲げて子育ての相談にのって、時代遅れのことを言ってしまわないよう気をつけないと。