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世代の差を自覚して若者と向き合う

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

 第4章「探索〜学習と移行に取り組む」に入ろう。我々昭和の戦後世代は教育を終えて20歳前後に就職し、早く家庭を持って40年近く働き定年を迎えるのが当たり前だった。特に疑問もはさまず自分のやりたい仕事は何か考え、高等教育を選択した。その親世代が自分の子どもと向き合うとき、子どもにもそれが一番良い選択だとして、就職や結婚を世話するのが普通だった。

 しかし、1990年代の終わり頃から、21世紀を迎える頃、つまり今から四半世紀前ごろから大きく転換してきたように思う。X(エックス)世代というのはアメリカ合衆国では1965年から1980年に生まれた世代のことをいうが、デジタル化が急速に進む中で、それへの対応を迫られた人たちだ。その後、Y世代とかミレニアル世代といわれるインターネットに親しんで育った世代、Z世代といわれる生まれた時から当たり前にデジタルに囲まれていた世代とつながっていく。我々のようなベビーブーム世代とそのように分けて扱われるのは、あまりにもデジタル化(科学技術の変化)や女性の変化(性的な変化)、若者の意識の変化がこの50年で大きかったからとも言える。

 今、70・80歳代の人が自分の子どもが社会に出る頃、就職のことで価値観の違いというか選択の仕方の違いで家庭内で揉めた経験のある人が多いかもしれない。もっとこういう会社でないとダメだとか、医院や店など私の跡を継ぐのが当たり前などといった争い事だ。それは、この時代の変化に親世代が対応できなかったことが大きいのではないかと思う。

 第4章は、若者世代が60年間にもなる働く時代をどう過ごすかを問う内容だ。我々のようなシニア世代は、自分の人生を問い直すというよりも、身近な若者たちの人生の選択やそれに関する悩みをしっかり理解することだろう。当事者である若い世代の人はこのブログを読むよりも、自分でぜひこの本を読み、自分の選択肢を決め出していってほしい。40代後半ぐらいからの親世代は、自分の子どもの人生の悩みをよく理解するつもりでこのブログを読んでほしいと思う。