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余暇時間を活かして

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月20日です。)

 寿命が伸びることと職業人生について考えた。同じように余暇時間も増える。これまでの3ステージの時代は、余生をいかに充実させるかというような形で文化に触れるような感じだったが、これからはその余暇時間を人生全体に割り振ることが大事になってくるだろう。

 とかく日本人は働くことが人生にとって全てという雰囲気がある。先ほどたまたま見たテレビ番組で、「睡眠」について扱っていた。世界的に見て最も眠る時間が少ない国の一つであるらしい。それは、勤勉という価値のある側面もあるだろうが、作業効率の低さとか健康面での弊害など負の側面も重い。番組で扱っていたのは、脳の問題だった。深いノンレム睡眠の間に、記憶の整理とか悪い記憶の消去とか、いろいろなことが起こっている。認知症の発症にも睡眠が大きく影響しているらしい。

 また、結構話題になったので知っている人も多いと思うが、借金だらけだった老舗旅館を建て直した女将の話も余暇に関係ある。職場の人間関係や働き方の改革を進める中で、借金を返すために無理をして働かせるのではなく、休日を増やしたのだ。それが職場の改善につながり、高評価に結びつき結果として借金を返す大きな成果となっていったのだ。

 人生100年時代のマルチステージをうまく展開させるために、余暇を自分のスキルアップのために使える人は、豊かな人生の新しいドアを開けることができるだろう。私も、毎日通勤して机に一日中向き合う生活を辞めて、いろいろなことに挑戦してきた。このホームページ開設や合唱団の設立も思いのほか順調に結果を出せてありがたい。また、ほとんど知らなかった資産形成も、収入アップという成果以上に、学び続ける生活の面白さを与えてくれている。

 余暇時間が増え、豊かな生活ができることを「デジタル・アテネ」と呼ぶ人がいるそうだ。ギリシャの都市国家アテネは、奴隷たちの労働によって、ソクラテスやアリストテレスのような偉大な人材を生み出した。彼らは自由な時間を得て、深遠な哲学的問題について考えることができたのだ。現代社会は経済的な面、政治的な面などで不安がたくさんあるが、これまでとは違うレベルの高い知恵を出し合って破滅の連鎖にならないよう新しい地球の歴史を切り開いていきたいものだ。そう考えると「余暇」とはとても大事な時間だと言える。なんとなく過ごしていてはいけない。寝不足にならない程度に頑張ろう。