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長い人生、楽しく働く

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月20日です。)

 新しい職業の選択やスキルアップについて考えている。この本の日本語題名は「100年時代の行動戦略」とある。寿命が伸びる中で、3ステージの時代からキャリアの流動性が高まるという状況をよく理解し、自分にとって納得のできるシニア時代を過ごしたいと思う。

 長期化する職業人生について考えよう。「100歳まで生きるとして、引退後に最終所得の半分程度の生活資金を確保したい人は、70代後半もしくは80代前半まで働く必要がある」と本では言っている。私は、以前生涯現役社会に関する講演を頼まれたが、これは国の施策をもとにした事業で高い報酬をもらった。それだけ日本にとって重要な取り組みなのだ。公的年金は、受給年齢を遅らせるほど受給額が増える仕組みになってきている。それだけ長く働いて、年金に頼る生活開始を遅らせようというのである。

 そんな話ばかりだと、「いつまでも働けというのか」と気が滅入ってしまいそうだが、視点を変えると、引退が遅い人ほど寿命が長いというデータもあるそうだ。イギリスでは65歳で引退した人の四人に一人がその後5年の間に「脱引退」つまりまた働き始めているそうだ。

 そういえば、ついこの間たまたまテレビを見ていたら、「ババピザ」という名前だったかと思うが、70〜80代の女性たちがピザの店を立ち上げ、工夫した味で評判が良いという番組を見た。リーダーの80代の人は、いい表情をしていた。仲間と力を合わせ、楽しく働けるということや、自分たちのやっていることが高い評価をもらえるということが、その老年期の心理を明るいものにしてくれているのだろう。

 私も、現役時代の3分の1ばかりの給料をもらって丸一日パソコンと向き合う仕事は65歳で辞めさせてもらったが、今は、自分の趣味や経験に基づいた新しい仕事をさせてもらったり、新しい資産形成の取り組みに頑張ったりと楽しくやっている。長い人生、どうせ働くのならなんとか楽しく過ごしたいものだ。「マルチステージ」の時代が本格的に動いているが、自分で選択しスキルアップして、収入面でも恩恵を受けたいと誰しも思っていることだろう。