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未来への準備

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月20日です。)

 仕事に関する世界の変化によって職を失う人だけでなく、仕事の中身が変わるための不安について扱った。トラックの運転手は大変な人手不足だが、それに対応して自動運転システムが急速に進歩するだろう。しかし、高速道路のような決められたコースを走るのは自動化が進んでも、街中の道路を配達するような細かい判断をする運転手は当分必要になることも確かだ。

 ただ、この頃宅配の荷物は置き配が当たり前に行われるし、遠い集落への配達はドローンの活用も実験されている。トラックだけでなく、いろいろな手段を工夫することで人手不足を解消することになるだろう。また、事務仕事を自動化することで仕事が無くなる人が、トラックの運転などへの転換をしてくる可能性もある。

 いずれにしても自分が今置かれている立場が将来どうなるのか見通し、取りうる道を選択できる可能性を大事にしていかなければならない。職にあぶれてから新しいスキルを学ぶのではなく、自分の進むべき道、いや自分の進みたい道を先んじて考えておくことだ。

 トラックの運転手が必要なくなるとすれば、トラック整備士の資格を取るとか、関係の濃い倉庫業界に職に応募するなど、「ありうる自己像」を検討し、早めに踏み切ることで有利な転身を図ることができるだろう。

 そういった雇用の未来を検討する上で大事なのが、テクノロジーの進化によって、どのような雇用がふえ、どのような雇用が減るのかということや、テクノロジーの進化では対応しにくい業務は何なのかということだ。

 今週の柳原公民館での指導をした折、館長さんから「来年の教養講座の指導をしてもらえるか」と聞かれた。それは、成人学校のように半年とか一年の連続講座の指導を頼みたいということだ。「教育」のような人を相手にする仕事は、人間関係や相手の様子を見てそれに合わせた指導の工夫が必要で、「非定型的な業務」と言える。だから、機械が代わりに指導するのは難しいのだ。雇用の未来について、そのような自動化される可能性を見ていこう。