(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月20日です。)
単身赴任中、下の娘は幼稚園に通う可愛い盛りだった。教頭職は週末も行事などがあると学校を留守にできないので帰省できない。そんな時は、家族揃って私の住宅に来てくれた。娘たちが赴任先の住宅に来てくれて一晩一緒に過ごした後、夕方帰ってしまうのを見送る時は寂しかった。幼稚園の娘はいつもたどたどしい字で手紙を残してくれた。何か自分一人置いていかれる思いで、寂しい気持ちになった。
その後校長になって単身赴任が続いた時は、娘も小学生になってそんなには赴任先にくることはできなくなった。仕事の時間と家庭の時間のトレードオフ(両立できない関係性)を感じた時だった。本には、「子どもが学校に入るまでに一緒に過ごせる週末は222回しかない。それ以降は友だちの家族と遊びに出かけたりすることが増えて、家族で過ごせる充実した時間は少なくなる」と書いてある。これは、人生100年時代と言われ長く生きるようになったからといって増える時間ではない。むしろ人生が長くなるのだから、自分の趣味や仕事に充てる時間はとても多くなる。しかし、可愛い盛りの子どもたちと過ごす時間は増えないのだ。だから子育ての時間は家族と過ごす貴重な時間だと思って、仕事との両立を図る努力が必要なのだ。
今、私もシニア時代を過ごしているが、娘と会える時間は本当にわずかだ。特に離れて暮らしている娘と会えるのは年に2回か3回かもしれない。幼児の頃、小学生の頃、単身赴任で触れ合う時間はとても少なかったが、それでも心の交流は大事にしたつもりだ。それがせめてもの救いだ。先ほど下の娘から提案があって、今年の年の暮れは諏訪の温泉ホテルで過ごそうと予約してくれるそうだ。あと一生の間にそんなことは何回あるだろうか。貴重な時間なのだ。