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複利の魔法

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

 あの物理学者のアルベルト・アインシュタインが、「複利」を世界7不思議と並ぶ8つ目の驚異と呼んでいたそうだ。若い時に始めた複利の投資は、40歳、50歳で始めたもの何倍にもなるのだ。本の事例は、20歳の時に4%複利で100ドル投資したものが、70歳の時には711ドルになっていると紹介している。

 これは、昨日紹介した「鳥の目型」の時間に関する視点が大事だとする根拠になる。長い目で自分の向き合っている状況を正しく理解する必要がある。私の経験を紹介すると、退職した時に信託銀行から、とても利率の有利な貯蓄を勧められ利用した。ただ、それは半年間限定で、その後会社の設定した投資信託に移行していくのだ。言い方を変えれば、顧客を増やすために美味しい条件を出し、何も指定しなければあとは会社の思い通りの運用をさせてもらえるありがたいお客になるのだ。私は半年後に、会社のお薦めではない株式中心の投信やリートにかけた。当時アベノミクスの成果が出た頃で良い選択だったと思っている。

 退職してあとはのんびり過ごそうと思っているうちに、いつの間にか資金が思いのほか減るのが早いと感じ、まずいと思った時には資金不足で投資で増やすこともかなわないとなってしまうかもしれない。今自分が契約したことが10年後、20年後にどうなるのかと考えて選択していかなくてはいけないのだ。その時限りの美味しい話で喜んでいてはいけないのだ。

 これは健康に関しても同じだ。人生100年時代となれば、先のことを考えて「健康への投資」も必要だ。特に男性は家事もやらず仲間と関わる活動もやらずでは、あっという間に筋肉劣化、思考力低下に見舞われる。上の資金不足と同じように体が劣化してから取り戻そうというのはとても難しい。早いうちから健康に投資するつもりで、日々を過ごすようにしたいものだ。長い人生を楽しめるのならば良いが、家族に負担をかけて悲しい人生を送らないようにしよう。複利の魔法が教えてくれるのは、将来を見通してちょっとしたことでも早く始めること、続けることなのだろう。