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年齢に対する考え方を変える

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

 人生100年時代の課題を投げかけてきた第1部を終わりにして、第2部「人間の発明」に入る。その内容は、第3章「物語」第4章「探索」第5章「関係」と進み、第1部で示した人生を再構成する三つの要素について扱っている。この本の一番あんこの部分だ。

 第3章「物語」は副題に「自分のストーリーを紡ぐ」とある。私たちが人間として花開くということの大事な要素は「人生に意味を与えられるストーリーを紡ぐ能力」だというのだ。その“ストーリー”については後日考えることにして、とりあえず提案されているのは、「年齢に対する考え方を変える」ということだ。

 子どもたちは「何歳?」と問われると「5歳」というように暦年齢を答える。私も教員をやっていた時はよく子どもたちに年齢を問われた。わざと10歳少なくして「当年とって45歳」などというと「へえー」と受け止めてくれる子や、「うそー」と疑う子もいて、「だから10(とお)年取ってって言ったでしょ」とふざけて楽しんだ。ふざけているとわかると子どもたちは面白がって「ぜったい80歳」とかひどいことを言って盛り上がった。

 年齢を重ねてくると単なる暦年齢で人を判断するのはあまり意味がないように思えてくる。実際には、“生物学的年齢”(肉体がどれだけ若いか)、“社会学的年齢”(社会でどのようにあつかわれているか)、“主観的年齢”(自分がどのくらい老いている、あるいは若いと感じているか)といった概念もある。他の人の年齢を見て、「あの人は年齢の割に元気に見える」とか、「あの人より俺の方が若く見える」などといった会話もよく聞く。

 問題は、1970年ごろから急速に平均寿命が変化しているのに、世の中の年齢に関する考え方がそれに対応していないことだろうと思う。本ではそのことについて資料を示して説明している。(続く)