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人生のあり方を再設計

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

「新しい方向性を見つけ、これまでとは違う視点で開発していく人が成功に導く」と、前回はまとめた。人生のあり方を設計し直すとすれば、その土台となる原則はどのようなものなのだろう。

 ロボットや生成AIが人間の雇用を消滅させるのではないかとか、高齢化の急速な進展により年金制度が成り立たなくなるのではないかなどと、これからの人生に不安をいだかせる情報が多い。テクノロジーの進化や長寿化の進展による社会の変化に対処する上で、まずは十分な生活水準を維持していく手立てが必要だろう。

 前回のブログで、資産形成や先進的農業の取り組みを例に挙げたが、社会の発展による恩恵をすべての人にもたらす方策が求められるだろう。日本や中国、そしてこれから世界の中心になりそうなインドも不平等な社会が気になる。日本は安心して暮らせる国のようだが、生活面での二極化はかなり危険な状況であるようだ。コロナ禍であわてふためいたが、補助金などで応援するだけでなく、根本的なところで社会のひずみを改善する仕組みは話題になりくにい。

 もちろんそれは簡単なことではない。人類の歴史で不平等が緩和されたのは、戦争、革命、その他の経済的破滅事態が起きた時だ。今日テレビで見たウクライナとロシアの争いの歴史でも、ウクライナがソ連に組み込まれる時、富農が食料を土の下に隠しているのを掘り出して糾弾・処刑する様子が映し出された。日本も太平洋戦争が終わり占領下で財閥解体などが行われた。

 その後80年近い平和な時代に日本国民皆が豊かになったかというと、そうではない。総中流社会といわれた日本はずいぶん過去のことになってしまった。なぜ厳しい二極化を生んできたのか。ある番組では、毎月たった1万円を節約して貯金していると、全て使い切った人と比べて退職するまでに2千万円を超える差が生まれると言っていた。たった1万円の積み重ねが生む経済的安定度の違いを訴えていた。今をどうとらえ、自身の未来のために何をするべきか見つめ続けなければいけないのだろう。

 個人が人生の計画を見直すことはもちろん大事だが、それを支える制度や政策も再構築する必要があると本ではふれている。さらに読み深めていこう。