(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは7月10日です。)
“リナミリティ”(宙ぶらりん)な状態について触れた。これまでの当たり前が揺らぎ、未来への漠然とした不安を感じている人が多いのだろう。ニュースでも、希望の持てるような内容や新しい方向性を提案するようなものが少なく、暮らしにくさや不安が増してくるような内容が多い気がする。
新しい社会への移行には、物事の本質を見極め実験的な取り組みが必要で、社会的発明を見つけていく必要がある。年金制度だってずっと昔からあったわけではないし、保険制度だって国によって大きく違う。日本の企業は低迷状態が長く続いているように言われているが、高度成長期に稼いだ財産で海外の資産を手にいれ賢く増やしている企業も多い。その恩恵を国民が分けてもらう賢さも大事だ。
こうした不確実性の強い状況で大事になるのが「好奇心」だと思う。「人々が不確実な未来と厳しい外的環境に素早く対応する上では、好奇心の果たす役割が大きい。」と心理学研究者F•ジーノが言っている。
ただ好奇心に煽られて、他の人の儲け話に乗って大損するようでは困る。冷静に情報に注意を払い、その話の根拠を調べたり、視点を広げて「なぜそうなるんだろう」と根本的な部分によく目を向けることが大事だ。私も株式を始めるとき、お試しで少額から始めながら、本や雑誌を読み、YouTubeなどで色々な情報を集めた。誰でも自分にとってうれしい話ばかり手に入れやすいが、あえて失敗談や対極的な情報も調べた。おかげで33年ぶりの高値の恩恵を受けることができた。
大事なことは、「好奇心を大事にし、未来を見据えて想像力を発揮し、信頼できる情報を整理し、行動を起こす決意と勇気を持つ」ことだと思う。その参考にしたくなるような新しい道を切り開く取り組みをしている人たちがたくさんいる。
私の生まれた中野市は先進的な農業で頑張った人たちがいた。昔「エノキ御殿」とか「巨峰御殿」などという言葉を地理学の授業で聞いたことがある。その先進的な農業で財産を築いた人が中野にいたのだ。ただ美味しい話は全国に広がって、エノキはどこでも安く手に入るし、ブドウの新品種は次々ニュースに出てくるので巨峰は普通のブドウだ。
常に新しい方向性を見つけ、別な視点で開発していく人が成功するのだろう。残念ながらあまりに話題のブドウは値が高くて昭和の戦後世代の私には手を出せないのが残念だが。