(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)
お盆が近いが昔とはずいぶん様子が変わってきていると思う。3世代同居の家もまだ多いだろうが、我が家には孫がいない。子どもたちは家庭を持っておらず、自分の夏休みを過ごしているから、お盆は夫婦二人だけの静かな時間だ。高齢者の一人世帯も多くなっているので、一人で墓参りに行くのだろうがどんな思いで過ごすのだろう。昔は子や孫が集まり、何世帯も大きな広間に集まって大宴会となったことが遠い過去のように思う。
「長寿の配当」とか「長寿の恩恵」ということを話題にしてきたが、上のような人口の世代別構成が大きく変わってきていることが、それぞれの家庭や特に高齢者にとって大きな問題だ。国の政策がそういう半世紀先、1世紀先を見て行っているかというと難しい。
この頃「少子高齢化」という問題がいろいろな場面で話題になる。出生数が減っているというが世界の人口が急速に減っているのかというとそうではない。インドは急激な人口増加で中国を追い越したとか、平均年齢が20歳代だとかいうのが大きなニュースだ。追い越された中国は急速に平均年齢が上がって、60歳以上の高齢者比率が、2025年までに20%を超え、2035年には30%を超え、超高齢化社会になるという。あの一人っ子政策の結果だが、日本でも第2次ベビーブームの出現した1971年から74年ごろ、人口過剰論が出て避妊や中絶が進んだ。そして、今は少子高齢化という結果だ。
世代による人口の変化が、バランス良い範囲ならば良いが、どうしても歪な形になる。世界中にインドの若者が散って各国のテクノロジーや政治にも大きな影響を与えているが、そのインドでも10代の人口はすぼまり始めている。
戦後人口抑制が日本で話題になった時、優生保護という言葉のもと、出生率を下げる政策をすると、比較的豊かで高度の教育を与えられるような家庭が子どもを抑制し、貧しい家庭の方が子どもが増えることが問題だと主張した人もいるようだ。実際インドでは、貧しい家庭の多産が問題になっているらしいが。
「人生100年時代」というが単に高齢者がどう生きるかということだけではなく、国の政策はもちろん、20代、30代の出産年齢世代の生きる社会的状況など、いろいろなことが絡んでくるのだ。