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老いなき世界

(このブログは、東洋経済新報社刊「LIFE SHIFT2」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、7月10日です。)

 平均寿命の世界ベストを日本の女性が長くとっていることに触れたが、それについて私の教えている合唱団でも紹介した。世界一ということは他の国に学ぶお手本のない「羅針盤のない航海」とまさに言えるのかもしれない。世界中が日本の女性の生き方を参考にしたいはずだ。

 国内では長野県がトップクラスを守り続けている。平均寿命のことを調べると、国内の各県が自分たちが良い順位にいることを誇っている。課題のある県は触れたくないのはわかる気がするが、逆に原因や背景をしっかり探ってほしい。

 長野県は「高齢者で働いている人の割合が多い」とか、「野菜の摂取に積極的だ」とかいろいろな理由が示されている。私は自分の立場もあるが、公民館数が一番多く、公民館活動の盛んなことを忘れてはいけないと思う。仲間と関わり、生きがいを共有し合える活動が大事だ。また、健康に関心を持ち生活改善をしっかりするとか健康診断をほとんどの人が受けるというのも長野県の良さだろう。長寿の恩恵を受けるにはそれなりの自身の取り組み、考え方が大事なのだ。

 本では、「人の老い方を変えることは可能だ」という考えを紹介している。昔は骨粗鬆症やアルツハイマー病の症状は、老いの当然の結果と考えられていた。しかし、今では、これらの症状はWHO(世界保健機関)により正式に病気と位置付けられている。そしてその対策も研究され、老化のプロセスそのものも病気として治療される日が来るだろう。

 それに直結する本を私は持っている。D.Aシンクレア著の「LIFE SPAN(ライフスパン)老いなき世界」という本だ。(東洋経済新報社発行)

 帯封には「人類は、老いない身体を手に入れる」「年齢の壁は消えてなくなる」「誰もが人生120年時代を若く生きられる」などとすごいことが書いてある。まだゆっくり読む暇がないが、「老衰という死因はない」という一文を読んだ覚えがある。日本では高齢者の死因として当たり前に使われる「老衰」だが、詳しく調べればその人らしい原因はあるのだろう。

 以前歯が削れてくるので染みたりすると、歯科医から「年相応ですから」などと当たり前のように言われたと愚痴を言っている人がいたが、それも治療の方法はあるはずだと思う。せめてあまり削れないようにするとかも含めて。長寿の恩恵は研究や発明の結果得られるものなのだ。