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重要なポイントの整理

(このブログは、文藝春秋社刊「脳科学は人格を変えられるか」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の12月12日です。)

 私の学びを発信するこのブログのシリーズもちょうど半年になった。大事なポイントを整理しよう。

①自分の見える世界を色付け(どのように見えるか)、起きることを左右する(どの道を進むことになるのか)心の状態を「アフェクティブ・マインドセット(心の姿勢)」と名付けた。

②子どもがどんな社会に生きることになるかは、運や偶然では決まらない。その子の感情のスタイルが、その子を取り巻く世界を規定する。世界にどう向き合うかによって環境は変化し、どんなチャンスに巡り合うか、どんな問題に遭遇するかも変化するのだ。

③本来のオプティミズム(楽観主義)とは、世界を善悪こみであるがままに受け入れ、なおかつ、そこに潜むネガティブなものに屈しないことだ。

④アフェクティブ・マインドセット(心の姿勢)のおおもとにあるのは、ものごとをどう解釈するかという偏り(バイアス)だ。脳はそうした認知のバイアス(偏り)を幾層も含んでおり、それらが無意識で作用する結果、人間はそれぞれ偏った視点でものごとを見るようになる。

⑤脳の可塑性が発見されたことで、従来考えられていたよりも人間の脳がはるかに柔軟であることがわかってきた。脳は新しい何かに常に反応しづづけ、絶えず何かを学び変化する。

⑥筋肉と同じように、訓練を行えば、脳の各領域を結ぶ経路を強くすることができる。

⑦「人生の舵は自分が握っている」という感覚が非常に重要なのだ。運命をコントロールするのは自分だという強い気持ちを持っている人は、逆境から立ち直るのも早いし、人生を最大限楽しむこともできる。

⑧何かに没入した体験〈フロー〉(最適経験)を体験する鍵は、自分の技量のレベルと挑戦の度合いとの間で絶妙なバランスを見つけることだ。簡単過ぎれば飽きてしまうし、難しすぎればストレスに苦しむことになる。

⑨悪い経験は、良い経験によっていわば中和されるのだ。重要なのはネガティブな気持ちを抑え込む能力ではなくて、ネガティブとポジティブのバランスを適正に保つことだ。

 さてどうだろうか。すべてを読んでくれた人には感謝します。さぞかし脳の可塑性を生かしてくれたことでしょう。単に読むだけでなく、自分の日々の出来事と結びつけ、自分の選択をどう決め出してきたのか振り返ってほしいものです。嫌なことから逃げたり、忘れようとするのではなく、それを中和できるような楽しいこと、自分を褒められることを作り出していってください。