(このブログは、文藝春秋社刊「脳科学は人格を変えられるか」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の12月12日です。)
これまでは、脳の回路や神経伝達物質、遺伝子発現など、いろいろな仕組みについて考えてきた。いよいよこの本もまとめの段階に入る。第五章は「タクシー運転手の海馬は成長する」第六章は「抑うつを科学で癒す可能性」となっている。日々の生活の中での取り組みが脳の変化につながっていたり、そういった取り組みを工夫することで抑うつなど病気に対してどう対策を取ればいいかなど、具体的な例を紹介している。これまでの研究に基づいた理論的な知と違って、我々一般の読み手にとっても生活に直結する内容なので順番に取り上げていこう。
要点を生活の場面と結びつけわかりやすく扱っていくので、その脳科学的な根拠などを詳しく知りたい人は、ぜひ自分でこの本を読んでほしい。
最近話題になることが多い「認知症」や、短期間で激変することもある「老人性うつ」などシニア世代にとっては、心配になることがいろいろある。自分にとって、また自分の家族にとって他人ごとではない問題だ。離別・死別、退職・家族との別居など、環境の変化がその大きな原因になることが多いようだ。老年期心理は「喪失の時代」ということが重い課題だ。私のように公民館や合唱団指導でシニア世代と接する場面の多い人間にとって、学ぶべきことが多い。
けさたまたま見たYouTubeで面白いのがあった。「80歳でも老化しない人がこっそりやっている五つの『最高に若返る神習慣』」という題名で、わかりやすかった。簡単に紹介しよう。
1「レスト遺伝子のスイッチを入れている」レスト遺伝子は「休め遺伝子」で、脳の活動の過剰な活性化を抑えるのだ。要するに“無理はしない”でほどほどにということだ。私も現役教員だった頃はよくあんなに頑張ったと思う。倒れて救急車で運ばれたぐらいだから、よくわかる。もう無理はせずマイペースでいきたいものだ。
2「不真面目で、自分に制約をかけていない」今でも“ああ、これやらなきゃ”ということは多いが、けっこうサボったりアバウトで過ごそうとはしている。また、ルールに縛られずやってみたいことは実現するように当たって砕けろ的なこともやっている。それに付き合ってくれる仲間もいてくれるのでありがたい。
3「趣味を三つ以上持っている」これは、以前は仕事だったようなことや資産形成も楽しんでやろうと思うと、つらくはなくなる。
4「肉をもりもり食べている」これは最近確かに少なめかもしれない。昨日は大盛り焼き肉弁当にしてよかった。骨ばったお年寄りにならないように気をつけよう。
5「楽観的に考える」これは、まさに今ブログで扱っていることだ。見たいドラマの途中で電話がかかってきても、その電話で楽しく会話したり、老人性うつにならないためにありがたい電話だと思えば、うれしくなる。そんな発想の仕方が大事なのだろう。
というわけで、次回から脳の成長についてていねいに考えていこう。お付き合いください。あなたの脳も劣化していかないよう使いましょう!