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遺伝子が性格を決めるのか

(このブログは、文藝春秋社刊「脳科学は人格を変えられるか」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の12月12日です。)

 第4章は、「遺伝子が性格を決めるのか」だ。もしそうだとしたら、楽観的な性格、悲観的な性格は生まれつき決まっていることになる。それでは、多くの人が「なんだ。それではこの性格はどうしようもないのだ。」ということになってしまう。遺伝子に関わる研究は世界中でさまざまな分野で行われている。最近毎日話題になる新型コロナウィルスのことでも、その変異や抗体などいろいろな視点で「遺伝子」という言葉が出てくる。人格を形成する上でどこまで「遺伝子」は役目を持っているのだろう。

 本には、双生児を対象にした研究や神経伝達物質への影響の研究など、さまざまな研究の歩みを扱っている。それはとても専門的で、このブログで扱うのは本来の目的である日頃の生活との関係を語ることから離れてしまうのでやめておく。興味のある人はぜひ本を買って読んで欲しい。

 ただこの章で大事にしたいことは、後天的にどのような環境で育つかによって、遺伝子の働きに影響することだ。さらに、母親の妊娠中の精神の安定度、祖父母の食事の傾向など、さまざまな条件によっても変わることがわかってきたことだ。つまり、遺伝子にはそれぞれ役目があるが、環境によってそれがどのように性格に影響が出るかが変わるのだ。これは脳科学と人格との関わりを知る上で大事なことだ。この辺りをもう少し研究していこう。