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危機回避への心の準備

(このブログは、文藝春秋社刊「脳科学は人格を変えられるか」を参考に、私の思うところを書いています。スタートは、昨年の12月12日です。)

 恐怖の回路に関わって、私が子どもの頃、群発地震を経験したことが、その後の比較的落ち着いた対応につながっていることを書いた。ただ、忘れてはいけないことは、その経験があるからといって地震を気楽に考えているということではないことだ。関心は強く持っているし、大学でも自然地理学を学び、大陸移動説や活断層についてもそれなりに知識は持っている。

 慌てず危機に対応できるためには、日頃から起きそうな災害について理解することや、そのために何をしておくべきか考えることだと思う。私の家は、昔水田だったところを埋め立てた団地だ。水害のハザードマップでは比較的安全な方だが、地震には弱い。しかも我が家はピロティーもあり、頭でっかちな不安定さがある。地震には近所の家に比べて弱いだろう。

 いざという時のためにどうしたらよいか度々考えている。まずベッドの横に伏せることで2階が潰れてきても身を守れるようにしている。そして、ヘルメットと笛、ヘッドライトを手の届くところに用意してある。また、近くの物入れに非常用の生活用品を旅行ケースに入れてすぐ持ち出せるようにしている。家が潰れてもしばらく暮らせるように、広い屋根付き駐車場を作った。ちなみに車は車中泊のできるタイプのものにした。また、太陽光発電と充電器も用意してある。できれば、それらを庭に非常用物置を作って納めておきたいと計画している。

 恐怖の回路は何よりも優先して働く。しかし、日頃から心の準備を怠らないことで、前頭前野のしかるべきところが働き、パニックを抑え、やるべきことを考える回路を働かせてくれることが大事だと思う。ものごとを良い方向に受け止めて考えることで、いろいろなことを積極的に準備できると思う。「◯○したらどうしよう」と悲観的にばかり考え、不安にかられていてはかえって危険度が増すと思う。楽観的に「大丈夫だよ」と何もしないのは、もっと問題だとは思うが。