澄んだ心で考えるのだ

 先週の混声合唱団エールの練習で、“stay hungry, stay foolish”(ハングリーであれ、愚かであれ)の話をした。主にシニアメンバーで構成される合唱団であり、残された人生の日々を仲間と充実した活動で過ごしたいと集まった人たちだ。シニア大学を経験した人たちが中心でスタートしたようだ。大事なことは人生の棚卸し。やり残したことはないか、若い日に我慢してやらずに過ごしてきたことはないか振り返り、新鮮な気持ちで取り組んでいってほしいのだ。

 そういう意味で、「ハングリーであれ、愚かであれ」とジョブスが語ったことは示唆されることが多い。限られた人生を誰かの考えにとらわれて浪費してはいけないのだ。若い日の好奇心を呼び覚まそう。大事にしなくてはいけないのは、澄んだ心で考えることなのだ。

 青春時代とは人生のある時期を言うのではなく、自分のハートの持ち方が新鮮で挑戦心に溢れていることだ。自分のうちなる声を見つめ、社会の常識や周りの人の意見に埋もれさせるなということだ。それが、ハングリーということであり、愚かであるということだ。単なる欲張りで、考えもしないことを好き勝手にやれということではない。自分の心と向き合い、信じることだ。

 あとひと月、12月24日に混声合唱団エールは、長野市芸術館メインホールで30分の発表をする。本格的なホールで歌える初めての場だ。目標である、「初心忘るべからず」の心で、経年劣化と言われないように学びを深め、「熟成」したシニアの魅力を発揮したいものだ。先日の文化祭は、ぶっつけ本番で、納得できる演奏は難しかったが、今度は、十分用意をして臨みたいものだ。