ブラタモリで善光寺

 地理科で学んだ私はブラタモリが好きで、録画して全部見ている。ついに長野盆地に来ると聞き、楽しみにしていた。でも題名が善光寺ということなので、いつものような盆地の形成など地形学のことは触れないかなと思っていたが扱ってくれてうれしかった。

 この頃の私のブログでも触れた長野盆地西縁断層について紹介してくれた。私が城山小学校に勤めていた時、眼下に広がる美しい街の夜景を見下ろしたり、昔の人が通った細い急坂を降りるとあっという間に繁華街にたどり着いたことなど、番組を見ながら懐かしく思い出した。

 扇状地と断層の働きで善光寺のある大地が形成されていることなど、わかりやすく扱ってくれた。この盆地に住む人たちがどれだけそのことを知っているかわからないが、あの断層崖ができたのはさほど古いことではない。ぜひ興味を持ってほしいものだ。

 この辺りは昔は海で、そこに積もった地層が、西縁断層を境に片方は高くなり、豊野や若槻あたりの山地がずっと松本の方まで続いている。大嶺面というそうだが、頂上の標高が揃っている。また、その山では化石が取れることは割と多くの人が知っている。

 断層を境に盆地側は沈んでいって、その上に川によって運ばれた土などが堆積して長野盆地ができたのだ。その川ごとに大小の扇状地が形成されている。先ほどの大嶺面と同じ面が私たちのいる土地の数百メートル下にあるのだ。こういう片側あるいは両側が断層によって基盤が沈降し、そこに川が流れ込んで扇状地を形成してできた平地のことを「断層角盆地」というのだ。長野県はもちろん日本中にいくつもある。

 犀川、裾花川、浅川などによって運ばれてできた扇状地が発達しているせいで、上田方面から流れてきた千曲川は直角に流路をまげ、松代や若穂の山際を流れるしかないのだ。

 残念ながらブラタモリは地理の学習をする番組ではないのでそこまで詳しくは扱ってくれなかったが、私たちの住む地盤は、長い年月をかけて、今も形成され続けていることは知っていてほしい。人の力でそれを管理することには限界があることも。