お出かけ調査

 今日は我が人生60代最後の日となりました。おととい長野市のお出かけパスポートというバスの乗車カードをいただいて来ました。今までのクルルカードと違ってピンクの優しい色で思いやりを感じますが、いよいよ自分も高齢者の仲間なのかとやや使うのに恥ずかしい気持ちもあります。

 ただ逆にこれを有効に使って、あまり尋ねたことのない方面に行き散歩をしてみると、今まで車で通り過ぎていたのでは気づかなかった地域の特性が見えてくる気もします。先週話題にしたハザードマップも歩いてみると自分の目で確かめられます。

 娘が大学で鎌倉に住んでいた時、私はその周りをけっこう歩き回りました。アパートから大学へはかなりの勾配の坂を降ります。アパートからその方向へ降りていくと長い階段があり神社へ登る参道でした。それを登ると大船の街を見下ろす景色の良い崖の上に出ました。娘のアパートはその続きの台地の上にあるのだとわかりました。途中に切通しがあり、硬い地層を切り抜いて道を通しているのを見て来ましたので、けっこうしっかりした台地にアパートがあるのだと思いました。

 部屋が狭いので、私は宿をとって一人泊まったのですが、台地より下の大船の街を歩くと川は道路よりもけっこう低いところを流れていました。おそらく隆起地帯なのだろうと思いました。鎌倉よりも標高も高く津波は心配ないと思いました。

 そんなふうに歩き回ることで長野の地理も探ってみたいです。浅川に興味があって、豊野に近い方は堤防が高く、その支流も車で走ると橋を渡るのに坂を上ります。吉田から浅川地区の方はだんだん川が掘れているように思います。おそらくその間に、長野盆地の西縁断層が走っていて、隆起しているところと沈降している境目があるのでしょう。歩いてそんなことを実感してみるのも面白いなと思います。まさに「お出かけパスポート」の意味にふさわしいでしょう。車ではないからと、行く先々で昼間からビールを飲むことのないように気をつけます。