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会場に広がるハーモニー

 はるばる合唱の演奏会を聴きに行ったので、感想やら思ったことを残しておこう。

 やはりハーモニーが大切だと思った。残念ながらバスがバランス的に弱めで音の重なりに厚みが出ない。人数のせいなのか低い音を出せる中心的な人が足りないのだろうか。しばらく前にメセナホールで、20人に満たない混声合唱を聞いたが、ホールによく音が広がっていた。私は、バリトンだが、移動ド法で大事なところは階名を記入し、自分がバスと完全五度の関係だなとか、短調の第3音だななどと役目を整理している。そういう他のパートとの音程関係は大事だ。

 各パートの人数的なバランスはとても重要だが、必要なメンバーだけ集められるわけではないのでアマチュア合唱団にとっては難しい課題だ。バリトンが7人ならバスは10人以上は欲しい。先日の演奏会は、トップテナーが一番多く、どうしても勢いよく張り上げてしまい、独走状態になっていることが目についた。音程もマイペースで不安定なところがあり、ハーモニーは鳴りにくかった。一曲だけ、トップテナーのソロの入った曲は、ソリストが、柔らかい声で高音も上手くファルセットで出していたので、ハーモニーが安定し、ホールに響きが広がっていた。

 練習の時、ピアニストは音取りをしてくれるのですかと後で聞いたら、ピアノストは必要な時だけ来てくれるので、誰かがパートの音だけをとっているらしい。編曲の和音の変化がけっこう難しくできている曲が多かったので、パートの音を取れるようにしただけでは怖いと思った。

 私が昨日練習した曲は、曲のエンディングの部分で、ナチュラルやフラットをバリトンが受け持って和音の変化で締めるのだが、ピアノで単音で取った時より、和音で取ってもらった方が気持ちよかった。ピアノは平均律なことを承知した上で、和音の色合いの変化と自分の役割をしっかり掴んで歌いたいものだ。