団員に愛される合唱団でありたい

 この週末は、富山まで演奏会を聴きに行って来た。なんと創立50周年というからすごい。創立以来の指揮者だったK先生が今年の2月に亡くなられるという悲しみの中で、50周年記念とともにK先生の感謝と哀悼の意味を込めた演奏会だった。

 コロナ騒ぎの中、なかなか開催できなかった状況で、記念すべき演奏会をどのようにしていくか悩みながらもようやく3年ぶりという演奏会に向け本格的にスタートしたという。しかし、その矢先、先生のご逝去ということで、演奏会の基本からの計画見直しも大変だったことだろうと思う。

 この合唱団の中心メンバーが、私たちの男声合唱団の創立に関わった人ということで、長く団としてのお付き合いがあり毎回何人か演奏会を聞きに行っているらしい。平成27年には北陸新幹線開通記念と銘打ち、金沢・富山・長野の男声合唱団で演奏会を開催した。私は、そのプロジェクトのチーフをやったが、それ以来の富山訪問だった。

 今回の演奏会で、「創立以来のメンバーは?」と進行が聞くと、5人ぐらいの人が手を挙げた。20代で入ったとして70代になっても続けているという熱心な人たちだ。長くこういった社会教育団体が続くには、信頼される指導者がもちろん必要だが、懇親会にも参加させてもらって改めて思うのは、運営面で能力に長けた人がいるなあと思った。人柄や合唱を愛する気持ちで仲間から認められ、いろいろな考えを持つ団員の聞き役、支え役になれる人とか、地域との繋がりが強く人集めや行事成功の基盤を作れる人などの存在を強く感じた。

 もちろん、演奏面で技術的能力の高い人や会計や団員管理面で長けている人など、それぞれの専門家もいてほしい。さらにムードメーカー的な人や逆にコツコツと楽譜準備や情報発信などの事務仕事をこなしてくれる人も必要だ。そしてそれらをお互いに認め合える人間関係がなければ全てが崩れてしまう。

 我々の合唱団も来年は20周年、第10回演奏会を予定している。今回感じたことを活かせるよう私自身も原点に返って大事なことを整理してみたい。団員に愛される合唱団とは何なのかと。