ワークシフトのまとめをしよう。本の帯封に書いてあるように、“未来を自ら選び取っていくために必要な3つのシフト(状態・体制…)”は、「ゼネラリスト→連続スペシャリスト」「孤独な競争→協力して起こすイノベーション」「大量消費→情熱を傾けられる経験」という三つなのだ。
前回のブログでそこをまとめたが、自分の教員としての人生を振り返ってみると、それに当てはまることが多く、良い経験を積む人生であったと思う。
まず、相手が個性のある子どもたちで、それぞれ時代を反映し、さまざまな家庭等の環境に生きている。教え方は、相手に合わせて工夫する必要があり、決められた方法を当てはめることができないので、マイナーな専門家と言われる。それを求め続けることはまさに「連続スペシャリスト」だろう。毎年のように授業研究会などを通して学びあった。
その苦しい戦いを共にする仲間とは今でも繋がっている。特に附属学校で学びあった友は、その後、県教委や各地の教育会の中心メンバーで活躍していて、協力して起こすイノベーションを実感した。
また、教え子の中にある宝物を見つけ出し、目を輝かして学んでくれる姿に触れられた時の経験は忘れられない。その教員として最も幸せな経験が、管理職になって真夜中まで働き、仲間を育てるエネルギーとなった。まさに「情熱を傾けられる経験」と言えるだろう。
そんな職業で学んだことがベースになって、退職してからもこうやって「自ら選びとる未来」を学んでいくことに熱意を持てるのだろう。また、退職校長会で、研修会で講演をしてくれる人は、地域の歴史の専門家であったり、ICT教育の専門家であったりと、自分の専門分野を持っている。私も合唱指導で依頼されることがあるのは、カリヨン型の専門知識・技能を持っていると言っていいだろう。教員として存在感のある人は、自身でも何か情熱を持って学び続けるものを複数持っているのだと思う。
さて、これでこのブログも終わりにしたいとは思うが、まだ、思い出話や自分の72歳、84歳の予測を残しているので、それについて考えなくてはいけない。