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働き方の未来と選択 その19

 人生100年時代の未来に向けて、働き方の未来とその選択を考えてきた。自分の納得と充実、バランス感覚のある働き方を求めていくにはどうしたらいいのだろう。

 一つ目は、自分が興味を持てる分野で、高度な専門知識・技能を習得していくことだ。それは、カリヨン型ツリーのように、複数の分野にわたることが今後重要になる。キーワードは、「ゼネラリストではなく連続スペシャリストへ」だ。スペシャリストとしていくつかの専門分野を持てることだ。ただ、私はその根底にあるものは共通項があると思う。全く違う分野であっても、その人の持つ感覚というか発想法や課題解決のユニークさが自分らしい道というか扉を開いてくれるように思う。

 二つ目は、友人関係など人間関係資本を充実させることだ。ただ周りの人を競争相手と見て、一人机に向かって学び、有名大学などの高等教育を求めるだけでは、社会に出てから行き詰まることが多いように思う。強い信頼関係や友情で結ばれた少数の友人との関係を築けることや、世界とつながるネットワークで自分とは違うさまざまなタイプの大勢の人と繋がれることが大事なのだ。

 三つ目は、所得と消費ばかりを目的として生きることを見直し、自分が本気で求めたくなるもの、時間を忘れて熱中してしまうもの、いろいろな人の役に立ち喜びを得られるようなものなど、質の高い経験を大切にする働き方を求める方向に舵をきることだ。

 中学生を教える立場にいたが、教師たちがどれだけそういったことを心の底に思い生徒と向き合ってきただろう。上にまとめたことを心に念じ、生徒が夢中になれること、自分らしい答えを出そうとする意欲、仲間と問題解決のために時間を忘れて問い合う経験、そして、自分を犠牲にして頑張るのではなく、自分が輝くチャンスを見つけ出すことの面白さを教えたい。