自分の未来に向けて働き方をどうシフトさせていくか考えてきた。「新しい選択肢を見つけていくことを大事にしたい」という話題になってきている。ちょうど昨日NHKで「中流危機を超えて」というとても関係ある内容の番組をやっていた。日本の戦後の高度成長期を支えてきた中流階層の働き方に不安を抱えるようになってきているということだ。世界各国特に隣国韓国と比べても日本の賃金は低迷している。非正規雇用の不安定さも拡大し、収入格差の広がる現状だ。
番組の中で紹介されていた事例を見てみよう。一つはドイツの事例で、自動車部品を製造する会社に長く勤めていた人が解雇されて、その後学び直し、ビッグデータ処理の資格をとってIT企業に就職し年収もアップしたという話だ。
デジタル化の急速な発展で、イノベーションを求められている。AI、ロボットに仕事が回り、人は別な仕事に移る必要がある。国を挙げてその「労働移動」に取り組んでいる例が扱われた。「リスキリング」といって、新しい職業に就いたり、今の職業でも業務の大幅な変化に対応するために必要なスキルを学び直すことが重要になってきているというのだ。
また、オランダでは、失業者が急増した国の課題を解決するために、パートタイム経済に取り組んだ。仕事のある人とない人の格差が広がらないよう、多くの人に仕事が回ることをねらって、パートタイム勤務に待遇の改善を図ったのだ。同一労働同一賃金で、それぞれの状況に合わせて正規ではなくてパートタイムを選び、ワークライフバランスをとりやすいようにしたのだ。シングルマザーの警察官は、家庭のための時間を確保しつつ十分な収入を得られるそうだ。
もう一つの事例は、夫が家庭の育児等に協力しやすいように正規職員からパートタイマーに変わった。夫が正規の9割、妻は6割の勤務で働いている。その二人の収入は、夫が一人で働いていた時の1.4倍稼ぎ、協力して子育てに当たっているという夫婦の例も紹介された。夫は、「仕事はまだ何年もできるが、子育ては限られた年数だ。それに時間をかけられることを選んだ」と言っていた。
日本も労使・政府が力を合わせて、未来に向けて個々の事情に十分対応できるような選択肢を増やしていって欲しいものだ。勇気のある人たちが、個人で学び直し、自分の働き方を転換している例が多くなっているが、その危険性はまだ大きいのだろう。早く世界のお手本となるような取り組みをして見せてほしい。