収入や役職といった評価以外に、「バランスの取れた働き方」を考える上で重要な要素はなんだろう。「ワークシフト」で昨日とは違う立場の意見を紹介している。
(引用)「私たちは非営利団体に移るとき、営利企業で同等の役職を務める場合より給料が下がることを覚悟していました。経験の『質』を手にするために、消費の『量』を手放す決断をしたのです。……業績を上げた人物に高給の代わりにどのような『報酬』を提供できるのでしょうか。私の場合、リーダーシップを振るい、責任を与えられ、意思決定をくだす経験がとても大きな報酬になっています。……仕事を通じて幸せを感じられています。このような機会が得られるとわかっていれば、物質的な要素はもっと早く捨てていたのに。」
単に営利よりも、誰かのために働く喜びや仕事を任される高揚感が大事と言っているだけではない。この後に、先日例に挙げた過剰労働の危険性や、子育てを後回しにせざるを得なかった女性管理職の話が出てくる。バランスの取れた働き方を考える上で、上の段落で紹介したような、「経験の質」があまり評価されていないことを問題視しているのだ。
現代の社会で、お金と消費の価値が過大評価されることが多い反面、経験の価値が過小評価されがちだというのだ。