「自己再生のコミュニティ(支えと安らぎの人間関係)」を構築していくために、私は5歳児のような無邪気な気持ちで、人やものごとを受け止められるようになりたいと昨日はまとめた。
その“無邪気”というキーワードで思い出したのは、脳科学で参考している黒川伊保子さんの著書だ。まさに題名が「無邪気な『脳』で仕事をする」(ファーストプレス社刊)という本だ。前書きから抜粋して紹介しよう。(斜体は原文のまま)
「人生は、思う方向へ滑り出していくもの。思いなさい。」これは私(著者)が、私の弟子たちに贈ってきた言葉です。一流と言われる人たちは、一人の例外もなく、みな一様に無邪気です。無邪気に「思っている」のです。自分のことではなく、他人のことを。」
「他人思いの人は、深いまなざしを持っています。このまなざしは、会う人、会う人を夢中にしてしまう磁力です。」
「なにも難しいことではありません。今、目の前にいる人の気持ちを、自分の気持ちのように思えばいいだけなのです。その人に興味を持ち、その人の考えていること、感じていることを想像し、その人に幸せになってもらいたいと願う、ただそれだけ。」
「悲しい事に、野心があって、勉強を重ねた人ほど、数字や損得勘定をつかさどる左脳に比重がかかり、自分のことしか考えられなくなります。そうすると、世の中が思い通りにいかなくなる。当然、「思う」方向が間違っているからですが、本人はその事に気づかない。」
「根拠のない自信を持っていますか?今日より明日の方が良くなるような気持ちで眠りにつき、今日こそ、きっといいことがあるというような気持ちで目覚める。そこに何の成果も、間の約束もないのに、……。その脳の無邪気さこそが、すべての成功の根底にあるものです。」
教育心理研究、教育相談、脳科学をやると決めた人生で、相手を思う無邪気さを忘れないようにしよう。目の前にいる人を惹きつけられる磁力を持ち続けよう。それが自分にとっても、人生100年を賢く生きるイノベーションの核だと思うから。そしてそんな私の眼差しを「あたたかい」と感じてくれる人に出会えることを願って日々過ごしていこう。
明日からは、第10章「第三のシフト 大量消費から情熱を傾ける経験へ」というテーマで進めていきます。