未来に必要となる三種類の人的ネットワーク、その2番目の「ビッグアイデア・クラウド(大きなアイデアの源となる群衆)」はどう構築していくのだろう。
本の中では、「普段あまり行かない道を歩くこと」「人との付き合いの面でカメレオン人間になること」「プッシュ(押す)ばかりでなく、プル(引き寄せる)ことを心がけること」の三つを挙げている。
私は昨日、夏の運動不足を改善しようとウォーキングに行った。東に向かって歩いたが、できるだけ通ったことのない道を辿った。行き止まりだったり、道らしいものはあるが、草ぼうぼうだったりと、思いがけなく遠回りしたこともあった。そこにあるのは、身近な場所でも発見があることだ。海馬を活発にするは見知らぬ道を歩くのが良いそうだが、人間関係も、普段とは違う仲間との出会いをするには、普段とは違う付き合いの場に参加することが大事だ。
長年の付き合いの退職校長会で、教育論議をするのも良いが、一般の合唱団に行くと、医者、自営業者、結構大きな会社の社長、銀行マン、もちろん教員や公務員も多い。違うジャンルの人と話すのは良い刺激だ。頻繁に飲む仲間は、五人ばかりいるが全部違う世界で、話しているとそれぞれ発想の違う意見も多く飽きない。
集団が違うと、そこにはそれなりのスタイルの違いがあり、暗黙のルールのようなものもある。ボランティアセンターの運営委員になった時は、自分をどう活かしていけば良いかわからず、チャンネルのずれたようなことを言っていたように思うが、次第に慣れてからは、イベントの助言者や講演会講師を頼まれるようになった。その仲間の中にある暗黙のルールを見ようとせず、自分の生き方を主張するだけではダメだろう。「カメレオン」という言葉は、やや雰囲気が誤解されそうだが、異なる暗黙のルールを持った複数のグループにまたがる人的ネットワークを築いていくためには大事だ。おかげでフェイスブックの仲間は非常に多くの仲間にまたがっている。
最後の「プル」は、自分の存在を多くの人に評価してもらい、魅力や仕事力のある人と認められることで、頼んだり頼まれたりする関係が広がると思う。合唱の指導だけでなく、シニア世代の「生涯現役推進」や若者世代の「キャリア教育」の講師に呼ばれたのはありがたいことだ。