未来に必要となる三種類の人的ネットワーク「ボッセ(頼りになる同志)」「ビッグアイデア・クラウド(大きなアイデアの源となる群衆)」「自己再生のコミュニティ(情緒面の支えと安らぎを与えてくれる人間関係)」について語ってきた。
それぞれをどう構築していくかが本の中で順に示されている。誰しもそこが大事だと思うが、詳しく知りたい人は本を参照してほしい。私は、自分の経験と結びつけて印象に残った内容に絞ってまとめてみたい。
「ボッセ」が一番わかりやすいと思う。実は、昨日、一昨日と二日続けて公民館で「歌と健康セミナー」の講師をしてきた。ピアニストとして頼んでいた人が身内の葬儀で仕事ができなくなり、急遽知り合いのピアニストに頼んだ。それも最初は、「もしかしたらお願いする事になるかも」といった曖昧な依頼だったのにも関わらず、「ああわかった。とりあえず二日間予定を入れなければいいね」と快く受けてくれた。結局、葬儀の日程が決まり、代役をお願いすることが確定して仕事をしてもらった。ちょうどこのブログを書いていて、まさにいざという時駆けつけてくれる「ボッセ(頼りになる同志)」だなと思った。
実は、1ヶ月ほど前に、中学の合唱部の指導を頼まれて、思いのほか本気でやる事になったことをブログで紹介したが、その教師は今回のピアニストと同じ音楽大学の卒業生で仲が良い。昨日話をしたら、その中学で指導したことや私の頑張ったことなどよく知っていた。「◯◯さんから聞いてるよ」と言っていた。
今回の三人の関係を振り返ると、代役をしてくれたピアニストは私の児童合唱団の指導を援助してくれた人だし、中学の先生は、隣の市の少年少女合唱団のピアニストで、互いに同じ立場の経験者だ。他にもその仲間が何人かいて、私が頼まれてバリトン独唱のCDを作った時のピアニストも同窓生で仲良しだし…などとどんどんつながっていく。
ボッセを築く上で大事なことを羅列すると、「深い相互理解で結びつく」「関心分野を共有する」「信頼と互恵的関係をはぐくむ」といったことが挙げられる。今回のことを振り返っても、この大事なことで理解し合っているから支え合えたと思う。皆、教育、特に子どもたちの合唱活動を支える事に興味があり、休日も返上して取り組むような姿が互いの信頼関係の基礎にある。そして、困ったときに中学へ助けに行ったから、今度はもう一人の仲間が、今度は私が助けるねと動いてくれた。そのお互い様の心が互恵関係を育む事だと思う。