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協力して起こすイノベーション その4

 これからの時代に重要と言われる三つの人的ネットワークの2番目は「ビッグアイデア・クラウド(大きなアイデアの源となりう群衆)」だ。

 ボッセは願いを同じにする3人から5人程度の同志だったが、ビッグアイデア・クラウドは、自分の人的ネットワークの外縁部にいる人たちで構成される。Facebookで友達になっていたり、Twitterでフォローしていたり、ブログをいつも読んでいたりといった具合に、主にバーチャル空間の付き合いになるケースが多いだろう。

 ほとんど別な世界に生きている人たちだからこそ、自分の知らなかった情報を提供してくれたり、新鮮なアイデアを提供してくれたりできる可能性がある。イノベーションを起こすためには、考え方・経験の近い仲間だけでは難しいと思われる。

 私は、個人的な活動が主なので、特にそういった何百人ものメンバーとのつながりは必要としないが、情報を仕入れることは毎日のようにある。YouTubeなどで検索すると本当に丁寧に教えてくれる。ただ、自分に都合の良いものを見つけたら、その逆の視点で語っているような意見も調べてみる。さまざまな考えを知るからこそ、より深い部分で自分のものにできると思うからだ。

 私が運営の責任者を負っている高校合唱班のOB会も、以前は、各年代ごとのつながりを頼って情報を流したり、自分の知り合いを中心に役を引き受けてもらったりしていたが、この頃は地域や世代を超えて情報の共有ができるようになった。会のホームページを作り、仲間同士のLINEも多くなり、簡単に多くの情報を多くの会員に届けられるようになった。今年6月の現役演奏会で、高校生から70歳代まで同窓の仲間が集まり、百人近いメンバーで混声合唱を演奏できたのはその成果だと思う。

 このブログも特にFacebookなどで広めることなどはしていないが、いつの間にか毎月訪問してくれる人が100人を超えるようになっている。ありがたいことだ。