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連続スペシャリストへの道 その19

 リンダグラットン著の「ワークシフト」(プレジデント社刊)で、これからの働き方を“シフト”(新しいスタイルへの変更)しなければならないとしている内容について触れてきた。第一のシフトである「連続スペシャリスト」について考えてきた。

 まとめると、テクノロジーの進化やグローバル化の進展によって、世界中の何十億人もの人がグローバルな人材市場に加わり、AIがますます雇用を奪い始め、その結果競争が激化する。その競争が激化する中で、大勢のライバルから自分を差別化しなければならない。そのために、専門技能の習得に時間と労力を割き、自分の手がけた仕事を際立たせるために自分の「シグネチャー(署名)」を確立する必要がある。(ほぼ本の内容のまま)

 ただ、人生100年時代で、50年以上働き続けるので、今後は、自分の関わる世界を広げたり、リフレッシュしたりする期間を差し込むカリヨン型のキャリアを送る人が増えるだろうとも言われている。

 勤め先からフリーになった私の経験を振り返ると、趣味は単なる趣味ではなくなり、仕事としての関わりや、誰かのためになるボランティア的な役割もある。なので、生きる上で大事な役割を果たしている。

 また、生活の費用を多少なりとも生み出したいと始めた資産形成も、その投資家偏差値は66で、100人中22番ぐらいとのこと。6月に工事費の大金を払った後は、かなり本気モードで株運用に取り組んでいて、とても面白くなり成果も大きい。

 連続スペシャリストなどという言葉を自分につけるのは恥ずかしいが、大事なことは、自分の取り組む活動について、「一流になりたい」的な思いは常に持っていたい。そして、単にネットや本で仕入れた情報に振り回されるのではなく、「なぜそんなことが言えるのだろう」「この人はどうしてそんなことを言うのだろう」などと、物事の意味や社会的背景、それに関わる人の心理まで見つめようとする自分の本気度が大切なように思う。その姿勢無くして、ツリーに輝くカリヨンをかけることはできないのではないかと思う。

 連続スペシャリストは今日で終わりにして、来週からは、第二のシフト「孤独な競争から、『協力して起こすイノベーション』へ」の章へ入ろう。