リンダ・グラットン著の「ワークシフト」(プレジデント社刊)をヒントにこれからの生き方(働き方)についてブログを続けてきた。自分の専門技能・知識を更新し続けていく「連続スペシャリスト」は、「移動と脱皮」で更新することを扱った。
次に本の中で教えてくれるのは、「セルフマーケティングの時代」についてだ。大多数の似たり寄ったりのブランドとの“差別化を図る”ということの重要さだ。
そういえば40歳ごろ教育研究の盛んな学校で一緒だった先輩の先生で名言・格言が好きな人がいた。それぞれ県内各地に転勤した後、共に過ごした仲間の集まる飲み会で、それぞれの近況報告をしあった。自分が今頑張っていることなどを話題にするとき、その先生は毎回のように名言・格言を取り上げて意味を説明してくれた。知識を深めていることはわかるが、その場は学んだことを発表するというより、自分の今(教育への取り組み)を語りあう場なので、違和感があった。
広く色々な知識を持っていることが大事だった時代があったが、今は簡単に手に入る知識を持っているだけでは、自分が満足するだけになってしまう。教育は「マイナーな専門家」として、相手に最も相応しい対応をすることのできる専門技能・知識が重要だ。
他人事ではない。私がこのブログで「ワークシフト」に書いてあることを紹介してもあまり意味がないと思う。ネットで調べれば、「10分で読めるワークシフト」というような解説の載ったホームページが簡単に開ける。私もそういったものも参考にしながら学んでいる。それによって自分の経験を引き出し、同じ仕事でも一味変えていけることが大事なのだと思う。学んだことを自分だけの解釈につなげ、実感を持って世の中を見つめ直したいのだ。そしてこうやってブログで発信することが、ある意味「自分の署名」の入った仕事であり、自分という存在なのだ。これからもそれを発信していこうと思う。