「連続スペシャリスト」はワークシフトでの大きな提案の一つだ。本の内容に沿って少し整理してみよう。
まず、他の専門技能より「高い価値を持つ」ということが重要だ。そのために三つの条件を掲げている。
1 その専門技能は、価値を生み出せるか
2 その専門技能には、希少性があるか
3 その専門技能は、模倣されにくいか
この3条件について、前回ブログの中学生への発声指導を通して考えてみた。
まず、「価値を生み出せるか」についてだが、講演会や公民館指導で一方通行で講師がお話をすることはよくある。それなりに新鮮で楽しい時間を過ごせ、評価が高いものも多い。問題はそこから誰にどんな次なる変化を起こさせるかだ。最近テレビでもたくさんの健康講座、料理番組など面白く構成したものが溢れている。だがどれだけそれを自分自身で実践したり深めているだろうか。私は、自分の講座や合唱指導で使えるので録画しており、このブログでもたまに使うことがある。中学生がもっと発声に取り組みたいと思うには、その変化というか、良いものとこれまでのものとの違いに気づくことが大事だろう。価値を生み出すということは、知識として受け止めるだけでなく、自分の変容につなげ、さらに高みを目指したいと意欲を持てることだと思う。
次の「希少性があるか」と「模倣されにくいか」については、発声指導は実技の指導であることと、対象者と向き合って反応を評価しながら進めていくので、当然指導者の人間性や経験が大きな評価の要素になる。ただ、公民館の講座などで募集する場合は、どうしても実践講座は敷居が高く、参加する人はそれなりに意欲の高い人たちで、大勢集まりにくいところがある。