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コ・クリエーション(共創)へ

 「ワークシフト」(プレジデント社刊)で、未来を形作る5つの要因の第1に「テクノロジーの進化」を取り上げている。それを10の現象で説明している。その中には、「世界の50億人がインターネットで結ばれる」「地球のいたるところで“クラウド”を利用できるようになる」「“ソーシャルな”参加が活発になる」などがあがっている。

 それを受けて第2章では「いつも時間に追われ続ける未来〜3分刻みの世界がやってくる〜」という辛い未来の分析へつなげている。時間の感覚が変わり世界中がつながって、瞬時に判断・取り組みが求められる大変な状況が生まれると想定している。しかしここではそれには触れず、ではどうすれば良いかというところへ飛ぼう。

 コ・クリエーション(共創)がキーワードになっている。「ライフシフト」では、“リ・クリーション”(再創造)が大事な言葉だったが、今度は「Co=共同の、相互の」、「Creation=創造」で、「Co -Creation」→コ・クリエーション(共創)だ。「みんなの力で大きな仕事をやり遂げる」ということだ。

 先日、母校合唱班の現役演奏会にOB・OG会で参加し、久しぶりに会う仲間と合唱し、支援金も集めて渡した。最後には、ステージの上の現役と下の先輩たちで一緒に混声合唱曲を演奏した。50歳以上歳の離れた世代が共に声を響き合わせたのは嬉しかった。

 「今年は先輩たちも一緒にどうですか」と、現役の顧問から声がかかったのは本番前2ヶ月もなかったと思う。2年間コロナ禍で一緒にステージに立てなかったが、今年はぜひ先輩方にも歌ってほしいとのことだった。それから、メールで情報交換をし、zoomで役員会をし、ホームページやメールの一斉配信、各世代ごとのトークアプリなど、さまざまな手段で参加を募った。

 現役と最後に歌った曲は、私は経験のない曲だったが、YouTubeで検索し自分で練習してすぐ歌えるようになった。全員が集まったのは、当日の朝9時。2時間ばかりの練習で演奏会に参加できた。改めてテクノロジーの進化を感じる。以前なら日を決めてどこかに集まって役員が相談し、郵便や電話で人集めをし、練習日を決めて集まってもらいと大変な手間と時間と費用がかかったはずだ。インターネットでつながり、クラウドを利用し、ソーシャルな参加で力を出し合えるということが身近にあるのを感じた。