新しいテーマは「選びとる未来」だ。参考にする文献は、プレジデント社刊「WORK SHIFT ワークシフト〜孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〜」(リンダ・グラットン著)だ。これまで扱ってきた「ライフシフト」と同じ著者だ。
どちらも「シフト(SHIFT)」が使われているが、一般的には、「入れ替える、変更する」といった意味で使われる。この頃アメリカで活躍する大谷翔平選手の報道で、「大谷シフトの狭い二遊間を速い打球が抜けて」と言っていた。つまり予想される状況に合わせて、守備体型を変更することだ。
グラットン氏の本では、世の中の状況の変化、予想される未来を見つめ、それに向かっていく取り組み方(働き方・生き方等)を変更(シフト)していくということだろう。
私のように退職してフリーな生活をしている人間にとって、そんな未来のことを学び続ける意味があるのかと言われてしまいそうだが、基本的に「なんとなく生きる」のは好きではない。本を読むなどして妄想に耽る時、自分の過去の経験や、今社会で話題になっていることなどがつながって、時空を超えて旅をしている気分になってくる。そんなエクスプローラー的な旅や新鮮な思いを醸し出す「夢」を味わうのは楽しい。
「ライフシフト」を扱った時とは違い、この本の章に沿った説明や事例研究はやめようと思う。興味のある人はぜひ自分で読んでみてほしい。社会の状況の厳しさを訴えるような本はいろいろあるが、最後に「ではどうするか」という具体的な方策が、見えにくいものが多い。しかし、この本は4部構成で、その第4部「働き方をシフトする」が、全体の5分の2ほどのページ数を割いており、未来に向かっての提案がしっかりされていると思う。そういう意味でわかりやすいし、著者が自分の子どもたちの未来という具体的な目的のもとにまとめた思いが伝わってくる。
そんな本なので、この本の世界を旅をする気持ちで読み、目についたところで、私が思い浮かべたことや、それに関して調査したことなどを日記風に発信していこうと思っている。ブログを読んでくれた人も、自分の身近なことと結びつけながら、旅をしてもらえると嬉しい。