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企業や政府の対応の遅さ

 昨日車で移動中に見たテレビで、国会中継を映していた。話題は「女性デジタル人材育成プラン」ネットで調べてみると、優良事例に長野県塩尻市が出ていた。男女共同参画会議のプランを見ると、コロナ禍などでテレワークが盛んになる中、デジタル分野への女性の参入を促進とか、育児介護等でフルタイムの仕事ができない女性も、柔軟な働き方でデジタル就労できる環境整備などとポイントが上がっている。確かに官民連携で社会を変革していくことは大事だ。

 このブログで扱ってきた「ライフシフト 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社刊)も、終章(第10章)「変革の課題」となり、視点は「企業の課題」と「政府の課題」まで辿り着いた。提案されている内容は「無形の資産に目を向ける」とか、「マルチステージの人生を前提にする」「仕事と家庭の関係の変化を理解する」など、これまで扱ってきた内容を、企業や政府が理解して、それに対応していくべきと次々示されている。しかし、その具体をここで扱ってもブログ読者にはあまり関心のないことだろうし、読み進むとその改革はなかなか進んでいないと言うまとめになっている。企業はほとんどそこに書かれたような変革を研究すらあまりしていない実態がある。

 面白かったのは「ゆでガエルの寓話」だ。煮えたぎった熱湯にカエルを放り込めば、驚いて鍋の外に飛び出す。けれども、鍋の中に入れて少しずつ加熱していっても、カエルはそのまま動かない。ものごとがゆっくり進行しているとき、人は思い切った行動をとりにくいということだ。人生100年時代は確実に、でもゆっくりと進んでいる。

 ただ、昨日の教育長の講演でも100年時代のことに触れていたし、先日紹介した文科省のトップ経験者が編著者になっている「現代の教育改革」は、「知識よりも能力育成へ」などと、時代の変化を見据えた研究成果をまとめている。上の「女性デジタル人材育成」など、多くの提案も政府としては考えている。ただ、企業と政府の連携は、日本のような国家では「お勧めする」程度しかできない難しさがある。結局、個人レベルで視野を広く長く据えて、ゆでガエルにならないように自身の問題として考えることが重要だ。