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イノベーション(変革)はまずリーダー自身から

 一斉行進の3ステージ時代に生きた我々は、教育もやはり一斉行進のスタイルの中で学んできた。「大学を卒業して良い会社に入る」ために、いかに一流の大学に入るか、それに専念することを期待されていた。その中で育ったジジババ(戦後)世代は、昨日紹介した「現実は厳しいぞ、そんなことではダメだ。」と自分の子どもに言うことで幸せをつかんでほしいと思っていた。しかしマルチステージと言われるさまざまな人生のページを開いていくこれから世代はそこから抜け出さなくてはいけない。今の40〜50代の親世代は迷っている。

 平田オリザの「幕が上がる」は、それに対する警鐘だ。先週母校の後輩たちの合唱団の演奏会プログラムにOB代表の言葉を依頼されたので、その「現実」について触れた。小説から以下の文を紹介した。

「(一部引用)『現実は厳しい』と大人たちは若者によく言います。しかし、悩み事もいっぱいあったこの舞台こそが“私たち高校生の現実”で、私たちは舞台の上ではどこまででもいける。その無限なく広がる宇宙の端までいけないから若者は不安なのだ。誰かが作ったちっぽけな“現実”なんて私たちの現実ではない」というのが小説の主題です。

 演奏会の舞台で真剣に取り組む後輩たちの生き様がまさに「現実」なのだ。彼らの可能性は限りなく広いのだ。だから不安なのだ。人生で一番美しく輝いているのは、「とおななつ(17歳)」と歌う民謡がある。その純粋で可能性を秘めた若者の輝きを閉じ込めないでほしい。それぞれが持つ多様な個性、それに一番合う願いを実現させられるような教育界であってほしい。

 そんなことを考えていた今日、長野市教育委員会教育長の講演を聞く機会があった。行政畑で活躍してきた人なので、どんな話かと思ったら、私の思いと重なっていて嬉しかった。「多様性をいかに活用」「情報機器活用」「AI教材の活用で個に合わせた学び直しの機会」「イノベーション」など、このブログで触れたいことと重なる言葉がたくさんでてきた。そして、「変革は、まずリーダー、例えば校長」と言い、社会の責任ある立場の人たちがいかに自身をイノベーション(変革)していくかとまとめた。「教育機関の改革」について触れてきたが、教育長がそんな見識を持っているのはありがたいと思った。次回からは「企業の課題」に入っていこう。