寿命が長くなれば、教育と仕事の境界のあり方も変わってくるだろう。3ステージの人生では、20歳前後で教育期間を終えるとすぐに仕事の世界に入った。企業は、会社に骨を埋めるつもりでいて、フルタイムで働く人物を欲しがった。もちろんスキルや能力を十分満たした完成した人材を求めた。しかし、今生まれた子どもたちは就職する時、今は存在していない職種につくだろうというくらい変化の激しい時代になってきている。古い時代の知識を持った大人から、単位を取るために学ぶ。しかしその何割が実際の仕事に直結する内容なのだろう。社会に出たら目の前にある課題をこなすために自分でスキルをこなさなければならないのだ。変化が激しい時代では、「創造力」や「イノベーション能力」そして人をまとめるやさしさや思いやりが求められるのだ。試験勉強では得られない能力を得られる高等教育のあり方を教育機関は検討しているが、簡単なことではない。
私の友人が文科省高等教育局のリーダー的立場にいた。彼の薦めで「現代の教育改革」(ミネルヴァ書房刊)を買った。そこには、社会教育と学校教育の関わりや今後のあり方、専門職大学院のことなど、人生100年時代に関することもいろいろ検討・提案されている。多岐に渡るので、またいつかこの人生戦略というブログテーマの発展として紹介していこう。
「ライフシフト」では、企業に加わる前の段階で、何を学ぶべきか自分で決めようとする人が増えることも予想している。単位を取ることよりも、自分の得意なこと、好きなことにエクスプローラー的にチャレンジし、さまざまな経験を積んだリスキルに磨きをかけるのだ。その上で、必要なことに絞って教育の場に戻り学ぶこともあって良いのではないか。