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家族の構成

 結婚をする相手に期待する内容が、男性は「職業」や「経済力」を女性に求め、女性は「人柄」がやや下がり、「容姿」が増えたと4月25日に紹介した。本当に自分の100年人生を考えてそれを選択したわけではないだろうが、男女の求めるものの共通性が増してきたとも言える。

そして、今後大事にしたいことは、互いのキャリア、マルチステージの変遷をどうパートナーと役割を交代しながら支え合っていけるかということだ。しかし、今の日本ではまだまだ難しいことだろう。

 夫婦で全てを負担しようとせず、両親、祖父母等の力を借りるのがある意味とても価値があるし、突然の病気等の場合は否が応でもその方法を取るだろう。そんな多世代の関係について、しばらく考えていこう。

 「ライフシフト」では、家族の構成員の変化が大きく取り上げられている。例えば、デンマークでは、家族の平均数は、わずか2.1人に過ぎず、高齢者と他の世代が一緒に暮らす家庭は少ない。年齢による隔離は、社会で大々的に進行してきた。

 アメリカでは、1910年から1980年の間に、65歳以上の人口のうち、一人暮らし、もしくは配偶者と二人だけで暮らしている人の割合が、20%から74%に上昇した。自分の子どもと暮らしている人の割合は、61%から16%に減っている。高齢者が子どもや孫と頻繁に触れ合ってはいるが、昔のような異世代間の濃密な関わりは姿を消した。これは、今後長寿化と共にまた元へ戻っていくのだろうか。