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職種の柔軟性

 どうして女性は男性ほど稼げないか。先週役職に着きにくいと言うことを理由の一つに挙げたが、その背景とも言えることをもう少し掘り下げてみよう。

 あなたは仕事を選ぶとき、次のことを重要な要件として見ていますか?

①時間のプレッシャーの厳しい仕事 ②勤務時間をあまり自由に決められない仕事 ③スケジュール変更に柔軟に対応しなくてはならない仕事 ④チームのメンバーと常に一緒にいなくてはならない仕事 ⑤自分にしか担当できず、他の人に代わってもらえない仕事

これらの答えがイエス、つまりそのような仕事をしていると言う人は、高給な職であり、現状では女性(特に子どもがいる女性)より男性がつくことが多い。これらの仕事は柔軟性に乏しく、家庭(特に育児や介護など)の都合に合わせることなど困難なのだ。結局女性が選ぶのは柔軟な働き方の方にならざるを得ないと言える。

 教員は男女の待遇格差がほとんどないが、上の柔軟性については厳しい。私が学校管理職をしていた経験からすると、子供が病気になった時、中学校教諭の夫がとりあえず時間休をとって保育園に迎えに行き、医者へ連れていく。翌日から小学校教諭の妻が全日休暇をとって子守りをするという例をよく見た。中学校教諭の夫は、授業を急遽自習にして誰かに補充をお願いするが、各クラスは1日のうちの1時間自習になるだけだ。ある意味被害が少ない。担任していても、学級会ぐらいは他の人が面倒見れる。小学校教諭で担任している妻は、自分のクラスを空けるためには、自習計画をたて、課題プリントなどを用意したり、休み時間も含めて手の空いている教員が補充するなど、翌日の指導体制を確保してから休まないと仲間や児童に迷惑をかけてしまう。これは、パートナー(夫と妻)間で互いの現状を理解し合い、柔軟性を持って取り組んでいるとも言える。これについては、明日もう少し詳しく見ていこう。

 ライフシフトの本では、柔軟性の高い職の例として薬剤師が上がっている。ある薬剤師が不在でも、別な人が代役を務めやすいということだ。